たんたぬたっきーの日常

ヤフーブログから引越して来ました

忘年会&送別会 with 台湾っ子

昨年の話ですが、12月16日に台湾っ子2人と送別会を兼ねた忘年会に行きました。
ワーキングホリデーで昨夏に来日して一緒に働いている台湾人です。
昨夏に工場が移転する前に男女4人の台湾っ子が来て、工場移転後には12人まで増えました。
彼等は30歳前後の年齢が中心で男が3人で女が9人と圧倒的に女性が多いです。
何故女性が多いのか聞いた事がありますが、彼等にも分からないそうです。
本当はワーキングホリデーで一緒に働いている台湾っ子みんなを連れて行きたかったが、中々時間が合わずに一人、また一人と新たな職場(勤務地)へ引っ越したり台湾に帰ったりし、最終的にたった2人になってしまいました。
※顔出しの写真や名前(苗字)はブログへの使用許可を頂いております。





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スマホばっかり」と呆れた顔をしている張さん。


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おっとりした性格の張(ヂャン)さんです。


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くまモンが好きで自身もくまモンな劉君です。



=台湾の知識=
僕が無知なだけかも知れないが、日本人の台湾に関する興味や知識はそんなに無いと思います。
ビジネスで台湾と交流のある人や観光関連企業の人ならそれなりの知識があると思うが、ごく一般の日本在住の日本人から見れば、アメリカや欧州、アジアでは中国や韓国の情報量が圧倒的に多いと思う。
現在はネットの時代なので、台湾に関する知識を収集しようと思えばいくらでも集める事が出来るが、それには「台湾を知りたい」という動機が必要です。
台湾の産業と言えば、シャープ買収で有名な「鴻海精密工業」や「ASUSAcer」等のコンピューター関連企業、「KYMCO、PGO」等のオートバイメーカーと自転車の「GIANT」ぐらいしか知らない。
でも、台湾は親日の人が多いとか、大地震の時にはお互いに助け合った(援助した)とかの良いイメージがあったので自然と台湾っ子達には親近感がありました。




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「何食べよかな?」台湾女子は食欲旺盛です。



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全く意味が分かりませんが、カナを振っているので唄う事は可能です。
カラオケ大好き劉君は中国語、台湾語、香港語で唄い分けていました。
微妙に違うのは分かりましたよ。



=天然独=
現在、台湾では「天然独」と呼ばれる若者が増えているとの内容の放送をNHK BSで見ました。
「天然独」とは生まれた時から独立しているとの意味らしい。
その言葉の理由を知るには台湾の歴史を少し学ぶ必要があると思います。
約半世紀にわたって日本の統治下にあった台湾は1945年、日本国の敗戦により中華民国が統治するようになります。
1947年2月28日に発生した「二・二八事件」に端を発した戒厳令(白色恐怖)は1949年から1987年まで38年間も続いていたのを知り驚きました。
僕が高校二年生の頃まで台湾では恐怖政治が続いていたのです。
ワーキングホリデーの仲間の一人、陳さんがこの「白色恐怖」を教えてくれました。
陳さんが「私が小さい頃まであったよ」と言っていたのが生々しかった。
「天然独」と呼ばれる20歳~30歳の若者はこの戒厳令が解除された後に生まれた世代であり、戒厳令中の抑圧や恐怖を知らない世代です。



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ピザを取り分けてくれたヂャンさんです。



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「唄っている途中に食べる劉君」と「食べてる途中に唄うヂャンさん」です。



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デュエットです。            
何の唄か忘れました。ガンダムかな?



=孤立している?=
1971年に国連を追われるように脱退した台湾。
それまで中国の代表として国連に参加していた台湾(中華民国)は国連安保理常任理事国の地位を失い、中国(中華人民共和国)が代わりに常任理事国の座に就きました。
現在、台湾と国交がある国は僅か20ヶ国。
一昨年はパナマが、更にその前年にはサントメ・プリンシペ共和国が台湾と国交を断絶しました。
何故か?中国との国交を樹立するという事は、台湾との国交を維持出来ないからである。
中国と国交を樹立した方が、貿易や経済援助で自国の利益になるとの考えからである。
「一つの中国」を掲げる中国が経済成長により得た莫大な利益をバラまいているからである。
中南米や島国などの小国ばかり20ヶ国との国交がある台湾であるが、20ヶ国中の18ヶ国が中国と国交を結びたいと望んでいるとの情報もあります。
「異常な国」である北朝鮮でさえ約160ヶ国との国々と国交を結んでいます。
つまり、台湾は世界の大多数の国々から正式に国(独立主権国家)として認められていないのです。

広辞苑に、「台湾は中国の26番目の省」と記載されていると台湾から抗議されています。中国政府からの抗議を事前に避ける為に発行元の岩波書店が下した判断か何か分かりませんが、世界の国々の対応を見ていると台湾に不利な状況になり続けているように感じます。

中国国内に事業を展開している世界的に有名な外資企業で、台湾を国家として扱って中国政府から謝罪を要求されたり、最近では中国に事業展開する無印良品が、世界地図に自社の店舗数を記載したマップを配布したところ中国政府から抗議を受けてマップを廃棄したニュースを見ました。
中国政府が勝手に領有権を主張している,「尖閣諸島南シナ海の島が記載されていない」「台湾について誤った表記がある」との抗議内容でした。
中国政府の「台湾を国際社会から締め出す」政策により台湾を疲弊させるつもりらしい。
2016年の名目GDPは台湾22位、中国2位でその差は大きいのですが、一人当たりの名目GDPは台湾37位、中国75位と大きく違います。
国民一人当たりの豊かさは圧倒的に台湾の方が上なのです。
今後どうなるのか?心配です。



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温かいタピオカジュースを希望したヂャンさんですが、無かったので常温のタピオカジュースになってしまいました。
温かいタピオカなんて知らなかった。さすがタピオカの本場、台湾っ子。


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「次は何食べよかな?」


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2人共ラーメンを食べています。


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唄って


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注文してと大忙しです。


イメージ 14楽しんでますね!


=白色恐怖=
一昨年誕生した中華民国総統、蔡 英文氏の支持者達は台湾独立の意向が強く、習近平国家主席はこれを強く警戒しているらしいです。
習近平国家主席は台湾独立を「断固阻止」するという発言をしている。
「断固阻止」とは当然武力行使も含まれているはず。
台湾が独立を示唆するだけで中国(中華人民共和国)が武力による介入をしてくるかも知れない。
いつ、どんなきっかけで衝突が起こるのか誰にも分からない。
台湾を国際社会から孤立させ、「反分裂国家法」を制定して台湾の独立を阻む中国は、大国となった今では非常に恐ろしいと思う。
アメリカの後ろ盾があるとはいえ、現在では圧倒的に軍事力の差がある台湾と中国。それにアメリカが本気で台湾を守るかどうかも分からない。
同じ職場に中国人もいますが、台湾人と中国人はごく普通に話しをし、たまに談笑もしていました。
個人レベルでは仲良くしていても、それが戦争や内戦になると仲の良い個人的な付き合いなんか関係無くなり多くの善良な人々が争いに巻き込まれてしまいます。
現在まで起こった数多くの戦争や紛争や内戦と虐殺を考えると、一人一人が他人を傷付けるなんて考えられない善良な人々が扇動され互いに殺しあった歴史が数多くあります。
そこには人間の尊厳は蔑ろにされてしまう恐怖があります。シリア内戦によるISの台頭で多くの虐殺が行われた事実も最近の事です。
チベットウイグル問題を考えると中国のなりふり構わない行動がよく分かります。
チベット族の僧が抗議の焼身自殺をしたTVニュースを見た人も多いと思うが、彼等の住む場所の資源や政治的思惑により彼等は弾圧されています。
1989年に起こった天安門事件を覚えている人も多いと思います。デモを封じる為、同胞である自国民を虐殺したあの事件です。
国際社会から非難されても自国の利益や面子の為には自国民ですら犠牲にする。
カンボジアポルポトクメール・ルージュ)が虐殺した相手は自国民だった事を思い出しました。
台湾も中国もお互いに武力による衝突なんか望んで無い筈です。民族的にも経済的にも感情的にも。
しかし、先程も書きましたが、ほんの「些細なきっかけ」で武力による争いが起こる可能性はあります。
ネット上のある記事には、欧米の研究者が「2020年は、中国が台湾への武力侵攻の準備が整う年」とレポートしています。
「白色恐怖」の歴史があるだけに心配になってしまいます。



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ヂャンさんは日本語の唄も唄います。


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一体何曲唄ったのだろうか?劉君のワンマンショーだったのは確か。


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日本語がペラペラに近いヂャンさん。
本だけで日本語を覚えた彼女の日本語は癒し系の声です。


=中途半端が良い?=
金門島の海岸に現在でも設置されているトーチカを見る度に台湾と中国の微妙な関係を考えます。
国際社会からは正式に国家として認められていないような台湾ですが、「一つの中国」を政策に掲げている中国が台湾を実効支配をしていないから実際は独立状態にあるのではないでしょうか?
現在の台湾は観光、貿易共に中国に依存しており、もはや経済的には中国無しで考えられない状況です。
蔡 英文政権発足後の台湾における中国人観光客の激減で台湾の観光企業が悲鳴をあげたのも記憶に新しいです。
鴻海精密工業に代表される台湾の企業数万社が中国に進出していて100万人以上の台湾人が中国に駐在しています。
ある意味現在の「中途半端」な状態を維持したい人々が多いのでは無いでしょうか?
武力対立が無くとも経済的な制裁が待ってるかも知れません。
しかし、「天然独」と呼ばれる台湾の若い世代が「ひまわり運動」を起こした事を考えると将来の台湾に激震が走る可能性も考えられます。
台湾の若い人達は熱心に政治に関心を持ち積極的に参加しようとしています。自らの主張を堂々と行い権利をはっきりと要求します。
でも、戒厳令解除後に生まれた世代が全て台湾独立を望んで無いだろうし、「天然独」の思想が台湾を席巻する事も考えられ無いから僕の考えは杞憂なのかも知れないが・・・。
NHK BSの台湾を特集した番組の中で、中国人観光客が激減した台湾を訪れていた中国人のおじいさんが「台湾は昔、宝の島と呼ばれていて・・・」と話していた。台湾、中国共に仲良くして行きたいとの内容だった。
また同番組の中で、台北市で行われたLGBT(性的マイノリティ)の人達のパレードを見ていた年配の男性は「悲しい」と話していた。でも、パレードに参加している人達の権利や主張は認めていた。他人の権利を尊重する現在の台湾は「白色恐怖」時代の反動なのかも知れない。



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台湾に帰っても仲良くね。


=日本に来た理由=
彼等がワーキングホリデーで来日した理由を聞くと「日本の漫画やアニメが好き」「日本に長期滞在したい」「雪を見て雪の中で遊ぶのが夢」「将来、日本に関係ある仕事をしたい」等々の答えがありました。
今回ワーキングホリデーで来日した彼等は20代後半から30代前半の結婚を意識する年齢層ばかり。
台湾でも晩婚化が進んでいるとは言え、結婚したらワーキングホリデーで働く事が難しくなるし、ワーキングホリデーの年齢制限が30歳までなので最後のチャンスだったのかも知れません。

台湾っ子達みんなに「日本に来て良かった?」と質問した事がありますが。みんな「来て良かった」「毎日がとても楽しい」と答えてくれたのはとても嬉しかった。
帰国が近づいた陳さんが寂しそうに「もうすぐ夢も終わり」と言っていたのを思い出します。
毎日、定時(17時)か残業して19時~20時に帰宅。晩御飯を作らないといけないし、風呂に入らないといけない、洗濯もしなければならない。朝は弁当を作ったりと多忙の中でも彼・彼女達は色々な所へ出歩き日本を楽しんだようです。



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僕の写真を載せるのは本意ではありませんが、劉君とヂャンさんの写真を載せた以上載せないと駄目かな?と思い掲載しました。
撮影はヂャンさんです。


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撮影日 2017年10月25日
寮(ワーキングホリデーのみんなが住んでたアパート)にて劉君のルームメイトと。

劉君!美形女子が目の前にいるからって、その顔はただの変態おやじだよ。



2018年2月4日現在、劉君は日本を放浪して東北を回って九州に居ます。
ヂャンさんは同じ職場で頑張っています。
ワーキングホリデーで出会った若者達はもちろん、全ての台湾人に暖かく輝かしい未来が訪れるよう願います。
台湾っ子と出会えた事を嬉しく思います。