たんたぬたっきーの日常

ヤフーブログから引越して来ました

ダイライトと透湿シート

省エネ住宅の必須条件である高気密。高断熱。

冬暖かく、夏涼しく、光熱費の削減に大きく貢献するそうです。

ソーラー発電にオール電化、深夜電力を使ったエコキュート、照明はLED・・・・と初期投資は高いけれど、長い目で見れば地球にも家計にも優しい。

省エネの中でも、家に悪影響を与える可能性があるのが高気密・高断熱でしょうか?

壁体内結露と言って、壁の中にたまった水分で構造材(柱や土台等の木製部)を腐らせたり、集成材なら接着面が剥がれて柱がバラバラになったりする事があるそうです。

家の外からの水分より、室内からの水分がやばいのでは?
人間の呼気、調理、食事、入浴、洗面、洗濯物の室内干し・・・・・・。水蒸気が発生する原因はたくさんあります。

現在住んでいるアパートは単層ガラスなので、冬場、朝起きるとガラス一面に水滴が付いています。
家族4人の汗や呼気だけでも凄い量です。

壁体内結露に関しては、各社色々な取り組みがあります。

センチュリーホームでは


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のような構造で通気させています。
構造材付近に水分がたまらないように、透湿性のある「ダイライト」「透湿シート」で水分を外へ放出する仕組みになってます。





以前入手したダイライトMSの9ミリ厚を使って今回耐火実験をしてみました。




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ダイライトをガスバーナーで約3000度の火炎で10秒ほど炙りました。
実際の火事で3000度の高温になる事は有り得ないでしょう。




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燃えませんでした。
中心部分は、ガラスが溶けたような物が付着していました。
原材料の鉱物が熱で溶けたものでしょう。




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ガスバーナーで炙った部分を切断して断面を見てみました。
ダイライトの厚みの半分位まで変色していましたが燃えそうな感じは全くしなかった。




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今度は火力を弱めて1分程炙りました。中心部分がひび割れて裏側まで熱が伝わりましたが燃えませんでした。
ダイライトは優秀な面材ですが、欠点にされている釘の保持力不足はダイライトの断面を見ると理解できます。合板に比べると内部が詰まっていなくて(だから通気性が良いのか)脆いです。
釘の保持力は合板に比べて3割程度しかないそうです。
釘を打つ時に、1ミリ以上ダイライトにめり込むと耐震性も低下するそうです。
http://blogs.yahoo.co.jp/kounosuke0713/31226871.html
後発のモイスやドリームボードはこれらの問題をある程度解決しているそうです。
http://www.moiss.jp/exmoiss/index.html
http://www2.aa-material.co.jp/prd/ken/ca10.html

しかし、合板は透湿性が劣るので壁体内結露の原因になったり、合板自体も結露で腐ったりする場合もあるらしい。

長期的に見た場合はダイライト等の無機質の製品に軍配があがると思います。

値段が高い。
釘の保持力が弱い。
脆い。
と欠点もありますが、シロアリに強く透湿性があり、腐らず燃えないのは大変魅力的です。
http://aomi.s14.xrea.com/kentiku/d/dairaito.htm
http://yjknet.com/nemoken/daiqa.htm



ダイライトの9ミリと12ミリ。どれほどの違いがあるのでしょうか?
耐震性は筋交いや面材によって左右されるので気になります。

釘の保持力が弱いと言う事は、大きくないが少しは揺れる地震や強風に長年さらされ続けると少しづつ緩んできて、やがて大きな地震が来た時に「マイホームが倒壊」なんてなったりして。(考え過ぎか)

また、施工されたダイライトにかかる荷重の方向や衝撃では有り得ないが、ダイライトをハンマーで叩くと簡単に割れてしまった。
合板ならダイライトに比べて粘りがあるので釘が抜けにくいし中々割れない。
しかし問題が多い・・・。



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これは、現在建築中のセンチュリーホームの新社屋です。前面に透湿シートが貼られています。




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お湯を入れたコップに透湿シートを張り、上から水を垂らしてみました。水を弾きます。




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画像では分かりにくいですが蒸気を通しています。(鏡が曇っている)
レインウェアで有名な「ゴアテックス」と同じ仕組みです。(構造は違いますが)
http://www.gore-tex.jp/technology/fab/index2.html

雨や霧の粒よりも遥かに小さい微細な穴が開いた生地が、体から発散される汗をウェアの外に放出して体をドライに保つ。

私も以前からゴアテックスの製品は愛用しています。
ゴアテックスは防水されていない綿やナイロンの生地に比べると通気性(透湿性)は劣ります。
しかし、防水されていない生地は雨がかかったり、水に浸かると簡単に浸みて体は不快です。
昔ながらのゴム引きの雨合羽は、完全に水の浸入を防いでくれますが、体から出る汗も閉じ込めてしまうので合羽内で結露してこれまた不快です。
雨に濡れなくても自分の汗で濡れてしまう。

構造材に使用される木は乾燥していると腐らないそうです。
常にジメジメした環境に置かれると腐朽菌が繁殖して腐り、ボロボロになるそうです。
人間と同じで不快な状態は嫌いです。

多くの業者が採用している防水・透湿シートについては http://www.ntba.jp/ に詳しく説明されています。